箱瀬淳一オフィシャルホームページ、技と技を繋ぐ

技と技を繋ぐ 箱瀬淳一の作品が出来上がるまで。 四十沢(あいざわ)木材工芸様 木地師・挽物師、西端良雄様 曲物師 東 将博様 四十沢(あいざわ)漆店様

四十沢木材工芸(あいざわもくざいこうげい)様

四十沢木材工芸様の外観

四十沢木材工芸(あいざわもくざいごうげい)

代表 四十沢宏治様 (あいざわ こうじ)さま
職人さん8人 創業50年

創業当初は指物屋(さしものや)だったので、硯箱や重箱を作っていました。丸い物(茶托など)は作っていませんでした。40年前に(宏治さんが高校2年生の時)、プログラムが出来る機械(価格は家1軒分位)を導入しました。

高校2年生の時メーカーに研修に行きましたが、1年間は全く物になりませんでした。それから30数年を重ねて、現在は2機が稼働しています。

輪花型が大量生産出来ています。職人さんの仕事の一部を機械がしてくれるという意味では大成功と言えます。

四十沢 宏治(あいざわ こうじ)木材が積み上げられた倉庫木材加工のプログラムが出来る機械(価格は家一軒分位)
四十沢木材工芸様、木材加工の様子

急須は始めに機械で荒削りをした後で、 手仕事で小さなカンナを何種類も使って仕上げていきます。 最近は、木工のオリジナルネット通販のお店から依頼されて 漆で仕上げない木工品も作っています。 桜の木に天然の蜜蝋で仕上げます。 最終的には職人さんの手仕事がないと仕上げることは出来ません。

急須の加工方法について説明する四十沢様木材加工の様子
四十沢木材工芸様、木材を選定する様子

過去制作した刀を立て掛ける一刀掛け、二刀掛け、飾り棚、猫足、 テーブルの脚、脇息(昔のお殿様の肘掛)など見本を残しています。 現在は猫足の準備をするだけでも大変なので、見本があると便利です。

右の写真のような虫食いがあれば掘って、漆を塗ります。 漆は接着剤にもなるからです。NHK朝ドラ「まれ」に出てきた 塗物の修理は基本的にどこでも出来ます。 最近、バターの愛好家のお客様から 桜の木でバターケースを色々なサイズで作って下さいという 注文があります。

バターは空気に触れると酸化して味が落ちるので、 半分は冷凍しておいて、半分は桜の木をオイルで仕上げた ケースに入れておくと持ちが良いそうです。 木の種類によって作る作品を決めます。

木材の加工について説明する四十沢様木材の加工について説明する四十沢様その2
四十沢木材工芸の見本室

こちらは見本室です、工場のあちこちにあったものを集めました。 塗師屋さんが来られた時、見本があるとイメージしているものが 見つけ易いからです。注文生産なので、一つ一つ違い多種多様で 見本がたまっていきます。

このスプーンは朴(ほう)の木で作りました。 西洋では赤ちゃんに銀スプーンを贈り物にします。 木でも出来ないかと依頼があり持ち手を丈夫にするのに 二重の曲げ物で作りました。 座卓は天然木を探すのは難しいので合板で作ります。

無垢の材料はくるい易いのです。人工乾燥は乾燥し過ぎ位 乾燥させて、また戻す方法を取ります。木は動くのです。 漆をつけるとゆっくり動きます。

四十沢木材工芸様の見本室木材で加工されたスプーン

木地師 挽物師 西端 良雄(にしはた よしお)様

漆塗りの元となる木材を加工する道具

木地師 挽物師
西端 良雄様(にしはた よしお)さま

輪島の分業制に疑問を持ち、木地師でありながら、すべての行程を 一人で作るようになりました。1993年より大阪や東京銀座で 個展を開いています。最近では能楽お囃子方大倉流小鼓方十六世宗家・ 大倉源次郎(人間国宝)氏の鼓も手掛けています。

透かしの作品は くすの木(匂いが出る、樟脳{しょうのう}の原料にもなる)で制作しています。 盃はあまり漆を使わず、木工中心に制作しました。富士山をイメージして制作した作品は 河口湖近くの富士山美術館にも展示されました。

木地師、挽物師、西端 良雄様木材の数々。
西端 良雄様が木材を磨く様子

木は寝かせれば寝せるほど良いんです。原木は1年以上、一番理想的なのは秋に切って枯葉が落ち、 土場で冬の雪にさらされ、春を迎え、梅雨に雨にさらされて、秋を迎えます。 四季を通じて土場で湿気と菌をたっぷり受けた原木が良いのです。

木は荒削り→中挽き→仕上げの過程で、人工的に乾燥させると割れやすいので、 乾燥させ過ぎない様にゆっくり、作品によっては布で包んで徐々に乾燥させます。 ロスがでないよう、後々くるいが出ないように丁寧に時間をかけます。

木を熟成させて仕上げていきます。熟成させる乾燥(かつおぶしのような)をさせて腐食菌が 付かないように仕上げます。洗濯物のように水分を乾燥させるのとは違います。

空気を遮断し、 木くずを燃やして煙を出し、タールを付着させます。木が半分腐って、木が死んで芽が出てこなくなる事が 熟成した木になるという事です。タールはカビの嫌がる成分なのでカビが生えなくなります。 腐食菌を死滅させる為に燻煙します。熱と蒸気で菌を殺す方法もあります。

西端 良雄様が木材を加工する様子その2
四十沢木材工芸様、木材を選定する様子

箱瀬工房からの発注された盃の木地は型を作りそれに合わせて 丁寧に削っていきます。 工業製品と違いお客様とのコミュニケ―ションで1つでも 注文されることがあります。 難しいのは合口のある棗や茶入れです。 蓋と本体は同じ木を使います。 収縮率が同じでないといけないからです。

箱瀬工房から発注された木材について説明する西端 良雄様加工前、加工中の木材の数々。

曲物師 東 将博(ひがし まさひろ)様

曲物師、東 将博様の作業道具の数々

曲物師
東 将博様(ひがし まさひろ)さま

木を曲げる為に水槽につけておきます。水道水は塩素が入っているからダメで、自然水(雨水)が適しています。

7寸の曲げ物を作る時は特殊な定規を使って、7寸に印をつけて、 のりしろをとります。水の中に入れて一周回転させます。 1尺の物差しを輪島では皆使っています。(1尺は30.3030303センチメートル)永六輔さんが尺、寸を残す運動して下さって、現在も残っています。

曲げ物が昔は一重でしたが、現在はロスが出ないように高くついても歪まないように二重にしています。

曲物師、東 将博の木彫りの看板曲物師、東 将博様の作業風景
曲物師、東 将博様が木を見つめる姿

これは水差しですが全部曲げ物で制作しています。 持ち手も何重にも重ねて根気よく作業しています。 板と曲げ物を止めるのは糊うるしを使います。接着剤にもなるし、 隙間を埋める事もできます。

最近は寸法がそれぞれ違うので大変です。 特に箱瀬工房さんからのオーダーは種類が多いです。 小判の重箱もかなり大変です。 同じ形で寸法が少しづつ違うオーダーを頂きます。

曲げ物の技術で制作された水差し加工前、加工中の木材の数々

四十沢漆店(あいざわうるしてん)様

四十沢漆店の店内の様子

漆店
四十沢漆店様 (あいざわうるしてん)さま

今は材料がすべて小分けになりました。 昔は漆も桶で買いに来られていましたが、現在はそういうお客様が おられないので椅子として桶を活用しています。 漆も小分けで買っていかれ、材料もすべて少量になって寂しい限りです。

伝統工芸品を守っていく為に、少しづつでも品揃えはこれからも充実させて行きたいと思っています。

小分けにされた漆現在は椅子となっている桶
漆塗り用の筆

筆を作る職人さんも後継者がいなくて少なくなっています。 右の写真は色粉と阿古屋貝です。

色粉阿古屋貝

漆器を支える人のお話を聞いて

箱瀬淳一の拠点、輪島市の様子

輪島市内でも日本伝統工芸品に関わる作家さんや職人さんの後継者が 少なくなっていますが、その中でも今回取材させて頂いた皆様は とてもお元気で大変な技術をお持ちの方ばかりでした。

作品が出来上がるまで、作品のひとつひとつに技と物語があります。 日本が誇れる大切な漆器をこれからも絶やさぬよう、 色々な形で箱瀬淳一作品を通して、 オフィシャルホームページから発信していきたいと思います。

取材にご協力頂いた皆様ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

箱瀬淳一の拠点、輪島市の様子その2箱瀬淳一の拠点、輪島市の様子その3
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